こんにちは、幸代です。7月中旬にもなると、こちらも暑い夏になってきました。

とは言っても、湿度低く、最高気温30度程度。日本の皆さんの暑さに比べたらなんでもない暑さですよね。

さて、今回は日本とはかなり違うカナダの医療制度についてお伝えしようと思います。

驚くことにこちらの医療費は無料!公費負担なのです。

但し一部の専門治療は自己負担、救急車を呼ぶと約1万円くらい請求される、薬代は実費で高く、また一般的に歯の治療は実費、ちなみに歯のクリーニングは約2万円で、今年3月カーニー新カナダ首相になってからはようやく子供等、一部無料になってきているそうです。

州によって異なる医療サービスがあり、バンクーバーのあるBC州は月額約8000円の保険料を支払う必要があるそうです。

治療の質というと、かなり…

バンクーバー市内には大きな総合病院は驚きの2カ所?、医者も少なく、心臓発作などの大変危険な状態でない限り即診察されず、例えば骨折、原因不明の体調不良で救急外来に行っても5~8時間待たされるのはよくある話で、待合室でずっと待たされるなんて、本当に辛い話です。

実際に知人から聞いた話で、2年前、ある若い日本人女子留学生が原因不明の発熱が続き、救急外来に連れていったところ11時間後やっと医者に診てもらえたそうです。でも診断は風邪の一種で薬は処方されずに、そのまま返されたそうです。

それでもその後熱が続いたので、とうとう日本から心配したご両親が迎えに来て、その娘さんを飛行機で連れ帰り東京の病院で診てもらったそうです。ご両親はかなり怒って東京の医者にその経緯を訴えたそうですが、その日本人医者は苦笑しながら「カナダで薬が処方されなかったのは、まあ、ある種、正解なんですが…」と。結局、そのお嬢さんの体力免疫力の問題だっただけで、問題はなかったそうです。

そんな話はよくある話で、カナダ在住の方から驚かないよと言われました。

もっと医療費払うから早く診療が受けられるようになりたいという声を聞きます。

また、人間ドックや、検査が一カ所の病院内で完結するという便利な病院はこちらではないそうです。

最初にファミリードクターという、かかりつけ医が診断して、紹介されてから専門医に診てもらう、そこでもわからなかったら、また振り出しに戻って別の専門医を紹介されてから、検査してもらうというプロセスを経るそうです。

だからガン治療等は検査待ちをしている間に進行してしまう…という話もよく耳にします。

だからこちらで出会った日本人の方で、実家、親戚がまだ日本にある方は、一時帰国して住民票をおこして、そこから日本の国民健康保険料を払い、高度治療を受けてからカナダに戻るという話も聞きました。

昔は簡単にその方法が取れたけど、近年はマイナンバーカード等の話から規制が厳しくなり日本での治療が難しくなっているそうです。

最近、外国人も医療目的で来日するという話を聞きますが、正直これは日本で暮らす日本人にとっては負担であり、社会問題の1つだと思いました。

当たり前のように日本では沢山の公立、個人総合病院、専門病院、クリニックがあり、多くの医師がいて、恵まれていますが、簡単に即、医療が受けられない環境下でずっと暮らしているカナダ人は、これが普通で、この国では自分の生まれ持った身体で生きられるまでが、自分の寿命と思っているように私には思えました。

なぜカナダでは医者不足なのか?それは給料の高い隣国のアメリカへ流れてしまっていると聞きました。

人口が少なかったカナダは過去に過度な移民を受け入れ、医療体制、住宅等インフラ整備が追いつかず、今、若い家族はファミリードクターを見つけるのも一苦労しています。

事務的に時間内でしか診療してくれない、zoom診療で対応されることも多いようで、日本の医者、看護師は優しくて丁寧だとよくいわれます。

またカナダはオランダ、ベルギー、ルクセンブルクついで世界で4番目に尊厳死、安楽死を2016年に合法化した国で、これも日本とは大きく違う制度ですね。

確かに日本の医療は素晴らしいのですが、こちらに来て、逆に日本は薬に頼り過ぎているなどちょっとやり過ぎ、過保護だなとさえも感じるようになりました。

先進欧米諸国を参考に、もう少し医療費を抑える政策に転換する時期に入っている様に個人的には思います。

そして今後世界に広めるのは沢山の薬を処方する日本の医療より、私は身体に優しい東洋医学や健康な身体つくりはやはり食からという、米、塩、味噌、醤油、梅干しなど日本古来からの食べ物、食の知恵を世界にもっと発信できたらいいなと思います。

今回は重いテーマになってしまいましたが、国が違えば人々の暮らしぶりはこうも違うというお話をご紹介させて頂きました。

そうそう、最後に信じ難い話を1つ、

カナダに来て私と息子が同じように、自分の携帯に入ってきた変な広告を目にしました。

それは、「アメリカ在住の健康な日本人男女、日系2世、3世までが対象。治験に参加して下さい。報酬は最高10000ドル(約150万円)を支払います。」という広告で会社名も明記されていました。

世界民族の中で日本人だけが持つ固有のDNAがあるという話を聞きました。

何を調べたいのか、どんな治験をしてデータが欲しいのか定かではありませんが、その広告を見て、妙に狙われている?日本人である自分を意識した私達でした。

では、今月はこの位にして、皆様はくれぐれも熱中症にはお気をつけてお越しくださいませ。

また来月、see you next month!